俺様ヤンキーは溺愛王子
龍基くんは私を見ながら腕組みをする。
「そうですかね?」
「あぁ。十分可愛い。」
「えっ!?」
顔が熱い。多分、赤くなってる。

(龍基くんがそんなこと言うなんて…。信じられない…。)
「結菜。お前、顔が赤いぞ。大丈夫か?」
龍基くんは私の顔を覗き込む。

「大丈夫です!なんでもないです。」
私は龍基くんに気づかれないように逆を向いた。
「そうか。」
龍基くんはあっさり言い、私から距離をとる。

(思わせぶりなこと言わないで欲しい…。一人で焦っている私が恥ずかしすぎる。)
私は窓の外を見ている龍基くんを横目で見た。緊張しているのか顔がかたい気がする。私はなぜか、そのはかなげな横顔から目が離せなかった。

「そろそろ着きますので用意をお願いします。」
執事さんが声をかけてくれた。
「わかった。」
「ありがとうございます。」
私たちはそれぞれ答えて用意をする。

そのすぐ後、ゆっくりと停車した車のドアを執事さんが開けてくれた。
龍基くんが先に降りる。
私も降りようとすると、目の前に手が差し出された。
「ん。」
顔を上げると龍基くんの手で。
心なしか少し顔が赤くなってる気がする。
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