俺様ヤンキーは溺愛王子

すれ違う一週間

学校から帰って1時間後。
教室に忘れ物をして取りに戻ると誰もいないはずの教室から声が聞こえてきた。
それも先生ではなく、生徒の声。

入っていくわけにもいかず、廊下の壁に背中をつけて出て行くのを待っていた。
近いから聞くつもりがなくても声が聞こえる。

「突然呼び出してごめんね。」
可愛い女の子の声。
この声はたぶん同じクラスの中心で、キラキラ女子の姫乃さんだ。
優しくて、可愛くて、男の子からも女の子からも人気でいつも周りに人が集まってくるような私が密かに尊敬している子。

(誰かと話してる…。)
好奇心から耳をすましてしまった。
「どうしても言いたいことがあって…。私…好きになっちゃったの!」
声だけで一生懸命で、すごく勇気を出していることがわかる。

(告白!?)
びっくりしたけど正直、姫乃さんに告白されて断る人なんていないと思う。
女子の私から見ても可愛いんだもん。
(姫乃さんが好きになる子って誰なんだろう。)
姫乃さんが好きになる子だからカッコよくてまっすぐな人なんだろうな。
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