キラキラ【完】


「…何か、怒ってますか?」




「健一とはすごく楽しそうに話すんだな。」





「確かにけんけんは話しやすいですけど…」 



もともと女性慣れしている様子だし、もちろん国民的スターなんだけど、推しのしゅんくんではないし、最近あまり緊張もしなくなってきた。




なんというか、あの人懐っこさは天性だと思う。




人の緊張を解す才能がすごい。







「…莉子の笑顔を引き出すことのできる健一はずるい。」






どこかいじけたように、話すしゅんくんに再び思考が停止する。まるで小さな子供のよう。




きゅんと心臓が締め付けられるのがわかる。





え、ずるいって、やきもちやいてるみたいじゃん。





…いやいやそんなわけない!気をしっかり持つんだ白木莉子!





自惚にも程がある。




こんな状況に、そんな発言。





どうも私は夢を見てるみたいだ。


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