イノセント*ハレーション
プロローグ
ーーヒュ~~ドンッ!

ーーヒュ~~ドドンッ!


「あぁ、綺麗だな...」


ため息と共に、思ったことがそのまま言葉になった。

そして、思い出した。


誰かが言っていた言葉...。


美しいものを見た時、

何かにすごく感動した時、

嬉しい出来事があった時、

真っ先に誰の顔が浮かぶ?

一瞬一秒で消えてしまうことでも、

とりとめのないことでも、

一から十まで全部教えたくなる人。

それが、"大切な人"なんだよ、って。


あの日伝えられなかった言葉も、

飲み込んでしまった想いも、

あたしはやっぱりこの胸にしまっておけない。


あたしは、ね...


色とりどりの大輪の花が咲き誇る夜空を見上げる。

肺がいっぱいになるまで酸素を取り込む。

そして、吐き出す...。


「あたし、雨谷凪夏は...っ!」


キミに...

会いたいよ。

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