イノセント*ハレーション
最初に2人きりで話したあの日から

あたしは何か特別なものを感じていたんだ。

お互いに口下手で、

共通の話題なんてなくて、

仕方ないからお互いのクラスの話で持ちこたえ、

それでなんとか言葉のキャッチボールをした。

1日目がそんな不器用で退屈なものなら、終わってしまうと思ったのに、あたしと彼の関係は終わったりなんてしなかった。

きっと、始まってしまったんだ。

好きとか、嫌いとか、要らないってずっと言ってきたのに、

もう何も失いたくないから、何も要らないって決心して高校生になったのに、

それなのに...あたしって強欲だから、

欲しくなっちゃったんだよ。

ほんと、バカみたいだ。

ううん、バカだ。

バカで、最低だ。

友達装って近くにいて、

ずっと素っ気ないふりして、

こんな気持ち抱えていたなんて気づきもしないでここまで来て、

ほんと...呆れる。

呆れるけど、

気付いてしまったなら、

もう...戻れない。

言葉にすれば、

もっと、もっと、感じる。

感じてしまう。

歯止めが効かなくなる。

それでも、あたしは...


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