エリート警察官の溺愛は甘く切ない
「佐藤に、ヤキモチ焼く必要ないから。」

「圭也さん……」

「俺が欲情するのは、いつも紗良だけなんだよ。」

ぎゅっと抱きしめてくれる圭也さんを、ぎゅっと抱き返した。


そんなある日、珍しい人とスーパーで会った。

「えっ?優?」

「よっ!お久しぶり。」

驚く私を置いて、優はニコニコと近づいてくる。

「どうしてここにいるの?」

「俺、最近ここの近くに住み始めたんだ。ところで結婚したんだって?」

今聞いたように言っているけれど、彼には結婚する時に、連絡したはずだ。

何故なら、私の従兄弟だから。


「どうよ。結婚生活。」

ニヤニヤしながら聞いてくる優は、相当結婚に夢を持っているみたい。

「そこそこ。」

「何だよ、新婚なのにか?」

私は大きく息を吐いた。

「いろいろあるのよ。独身の優には、分からないけれど。」

「何があったんだよ。」

「別に。」

まさか、生活スタイルは違うわ、ライバルは出てくるわ、子供できたけれど流産したなんて。
< 74 / 90 >

この作品をシェア

pagetop