命の玉
腹が立って、何かに当たりたくて、「最低!」と言いながらお姉ちゃんのお気に入りのピンクのランドセルにけって傷を入れた。スッキリした。でも少し、心がもやもやする。お姉ちゃんに当たることじゃないのに。。。。

お姉ちゃんが寝る前、いつものように話しかけてくる。うるさい。
「本読んであげようか?」
「いらない。」
「人形遊びしようよ。」
「いやだ。」
「宿題終わった?最近朝宿題してるでしょ?だめだよ!」
うるさい!!!!!!なに、お母さんでもないくせに。偉そうに!!!!
「うるさいわね!あんたには関係ないでしょ!もう寝るから黙りなさいよ!」
ついイライラして叫ぶ必要もないのに叫んでしまった。
お姉ちゃんが落ち込んでいるのがわかる。
はぁ。お姉ちゃんは感情に任せて怒鳴ったりしないのに。
…‼
突然、私の目の前に、黒い、穴のようなものが現れた。
どこまでも深い。
そして、私を吸い込んだ。
私は必死に助けを求めた。けど、お姉ちゃんは助けてくれなかった。
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