無表情男子の私しかしらない秘密の顔。
やっぱり納得いかない。私の夢だったって言うの?


「ふんっ、真央くんなんか知らない」

「……あれ、朝日さん?」

「ん……?黒瀬くん?」

「うん、覚えててくれたんだ」


嬉しそうに後ろから近づいてきたのは、うちの学校で真央くんと同列ぐらいのイケメンと言われている黒瀬七海くんだった。


高身長、ハイスペック容姿端麗で誰にも優しいと有名な彼。

“王子様系”と言われている人だ。



「あんまり僕ら話さないよね」

「う、うんそうだね」


だって平凡な私とは程遠い方だし……。


ん……?そんなこと言ったら、真央くんもそうか……。


「ふふっ、早起きした甲斐があったかな?僕、ずっと朝日さん……いや、莉愛ちゃんと話してみたかったから、すごく嬉しい」

「そ、そっか?」


あ、あれなんか近い?


少し横にズレると、フフフフと微笑みながら近づかれる。


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