本当は
 言葉が続かず、礼の啜り泣く声が静かに響く。

 「礼、、、教えてくれ、、、何があった。。。」

 「お義姉さん、体調を崩して病院へ、、、そのまま入院して、、、、
 もう、手術もできない状態で、、、緩和ケア病棟で、、、今は、意識も時々途切れて、、、」

 「なぜ言わないっ!」

 「覚悟はしているけど、お兄ちゃんには言わないでって、、、先生は、拡(ひろむ)のこともあるから、一度は連絡しないと、って。。。」

 そんなに悪いのか。
 今は、意識も途切れる日があるって。
 息子 拡のことをって、、、

 もう、何をどう考えていいのかわからなかった。

 「先生が、、、」

 先生、おじさんが、、、

 「てるちゃんが帰国しているのなら、会った方がいいのじゃないかって、お義姉さんに言ってくださったけど、お義姉さんはこんなに弱っている姿で、会いたくないって。」

 「礼、病院の名前を教えろ。」

 「でも、お義姉さんが、、、」

 「じゃぁ、おじさんに会いに行く。」

 「おじさんは、、、今、お義姉さんのところ、、、ここのところ、不安定で、、、」

 「礼!!病院を教えろ!!無理やり押しかけたりしないから!!」

 もういろんなことを礼から、聞き出すより、病院へ行ったほうが早いと思った。

 礼からやっと、病院の名前を聞き出すと、取るものも取り合えず、ホテル前からタクシーに乗って、病院名を告げた。
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