心はあなたを探してた
「クリーニングは、昨夜のうちに特急で頼んだから、10時過ぎには出来上がる。受け取ったら、一度帰って着替えて出かけるか。」
食後のコーヒーを飲みながら、さも今日一日一緒に過ごすのが予定通りのように恭輔さんが、私の方を見る。
「えっと…私、着替えたら家に帰る予定しかありませんが。」
「俺をよく知らないからお友達からって言ったの、里帆だよな。一緒に過ごして、俺をよーく知ってもらいたいんだけど。」
恭輔さんは、目の前のテーブルを乗り越えるように身を乗り出し、わざわざ私の耳元に囁くように言ってくる。
おかげで心臓がドキドキと音を立てた。
この人のどこが、恋愛初心者だよっ。
私とは違う。
「あの主任…」
「恭輔。」
「恭輔さん、恋愛初心者って話ですが、女性との交際は?」
恭輔さんは、指を折り始める。
片手…折り返した?!
もう片方の手まで使ってる?!
少なくとも10人以上はいるらしい。途中で一緒に心の中で数える気力がなくなり、考えることをやめた。