エリート御曹司は独占欲の募るまま、お見合い令嬢を愛で落とす

「なにを悩む必要がある? 俺たちは体の相性もよかったじゃないか」

「ちょ、ちょっと! そんな大きな声で恥ずかしいこと言わないでください!」

彼のお蔭で自分が不感症ではなかったとわかって安心したのは事実だし、体の相性がいいというのも否定できない。けれど、あの日は涼ちゃんにフラれて自暴自棄になっていた。

一夜の過ちともいえる出来事を結婚の決め手にしてほしくなくて、じとりとした視線を向ける。しかし彼は、私の軽蔑するようなまなざしを気にもかけずに話を続ける。

「少し考えるとは、どれくらい待てばいい?」

「……三カ月くらい?」

いつまで縁談の返事をすればいいのか見当がつかずに適当に返事をすると、彼があきれたようにため息をついた。

「なにをそんな長い時間考えなければならないのか理解に苦しむが、まあいいだろう」

納得する様子を見てホッとしたのも束の間、彼の口角がニヤリと上がる。

「三カ月もかからずに美桜さんを落としてみせるから、覚悟しておくんだな」

彼が不敵な笑みを浮かべて、再び庭園を歩き出す。

こんなことになるのなら、朝比奈さんとは結婚はできないとハッキリ言うべきだったと後悔して、歩を進める彼の後をついて行った。
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