エリート御曹司は独占欲の募るまま、お見合い令嬢を愛で落とす

「それで? プロポーズの返事は?」

大好きな人へ返す言葉はすでに決まっている。

「もちろん、はいです」

今度は間を置かずに返事をすると、朝比奈さんが安堵したように小さく息をつく。

私にプロポーズするのは二度目とはいえ、もしかしたら緊張していたのかもしれない。

「うれしいよ。ありがとう」

口もとをほころばせて私に視線を向ける彼を、愛しいと思う気持ちが胸いっぱいに広がった。

ようやくふたりの心が通じ合った喜びを噛みしめて微笑み合う。しかし、それも束の間。朝比奈さんがポケットから水色の小さな箱を取り出して蓋を開ける。

「左手出して」

「は、はい」

まさかのサプライズに驚きつつ、差し出された大きな手に自分の左手を重ねると、大きなひと粒のダイヤモンドがあしらわれたエンゲージリングが薬指をゆっくりすべっていった。

「サイズが合うか不安だったが、丁度いいようだな」

白樺の木の葉の隙間から差し込む太陽の日差しを受けて、永遠の愛の証であるエンゲージリングが私の左薬指でキラリと光を放つ様子を見て、彼が満足そうにうなずく。

心待ちにしていたドライブデートで、エンゲージリングをプレゼントされるとは思ってもみなかった。
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