初恋幼馴染みに求婚されました
まずはブティックに寄り、服を購入することになった。
訪れたのは母と何度か訪れたことがある店で、ふた月程前にも買い物に来た店だ。

店内は春物から夏物に変わっていて涼しげな空間になっている。
だが前回来た時よりもっと異なることがあった。

一人の女性スタッフに「いらっしゃいませ」と、迎えられたのだけど、彼女は宗君を見て目を輝かせた。
それは彼女だけでなく、他の女性スタッフも彼に目を奪われている。

この感じ__よく知っている。

宗君は昔から女性に非常にモテた。

中高生の時は男子校だったにも関わらず、他校の女子からモテモテでバレンタインの日は彼の家に押し掛ける女子が多くいた。

秀才な彼は国立の難関大学に進んだのだけど、そこでも変わらずモテ続けるので、もう気が気でなかった。

また、芸能事務所のスカウトマンからスカウトされることもあったし、住所を突き止めた事務所の人が宗君とおばさんを説得しているのを見たことがある。

宗君がモテることは昔からよくよく認識していたけれど、最近では接点がなかったため忘れていた。
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