【完結】結婚二年目の憂鬱。〜僕は妻に裏切られていた〜

結婚二年目の憂鬱



「っ……里織……」

 僕はこんな里織を見るのが初めてで、戸惑ってしまっていた。

「大輝、早く私のこと抱いてみせなさいよ、ねぇ……」

 里織は僕の上に跨りながら、悲しそうにそう言ってくる。
 
「……ごめん、やっぱり出来ない」

 だけど僕は、里織を拒絶したーーー。

「どうしてよ……ねえ、どうしてよ!」

 里織は僕の上に跨ったまま、僕の肩を揺らしていた。

「僕は今の君を抱くことは出来ない……。さっきまで君は、ここで気持ち良さそうにあの男に抱かれていたんだぞ? そんな他の男に抱かれた後の妻を抱くことなんて、無理に決まってるだろう!?」

 僕は里織を突き放した。そして僕は、身体を起こす。

「………」

 里織は黙ってしまい、何も言わなくなった。

「君は僕をどこまで苦しめれば気が済むんだ?……僕はあんな男に、そんな淫らに抱かれる妻を目の前で見せられて、正常でなんていられる訳がないだろう?」
  
 里織は自分勝手すぎる。僕の気持ちなんて全然分かってない。
 僕が今どんな気持ちでいると思ってるんだ……。

「……ごめん、大輝」

「里織……僕は君を愛してる。 でも愛してるからこそ、君とは一緒にいられない」
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