幼馴染は分からない【完】



「おいっ!!」


その声と同時に、かけるの手が頭から離れる。



ハッと先をみると、れんがいた。



焦った様子で、かけるの胸ぐらを掴んでいた。



「お前、こいつに何したんだよ!!なんで泣いてんだよ!!」




どうして。


私のこと嫌いなのに、こんなに必死に。


目が血走ってるれん。


きっと泣いている私を見て、かけるが泣かせたんだと勘違いしたんだろう。



「泣かせてんのはお前だろ。」


かけるも負けじと、れんを睨んでいた。


「はあ?」


予想もしていなかった言葉に、混乱しているれん。


「帰るわ。じゃあな、つむぎちゃん。」


ほとんど目も合わず、かけるは胸ぐらを掴んでいる手を振り払って帰っていった。



「あ、うん。」



あまりにも、数秒間に色んなことが起こりすぎて、涙は知らない間に引っ込んでいた。

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