すべての世界で、キミのことが好き❤~告白相手を間違えた理由
 中学二年生の夏。
 結愛は同じクラスだった陸に告白をした。

 ふたりは付き合いだした。

 俺は小さな頃からずっと、結愛が好きだった。
 けれど、何も伝えられず、ただふたりを見ていることしか出来なかった。

 別々の高校に通うようになってからは一切交流をすることもなくなる。

 結愛はまだ陸と付き合っているのだろうか?
 今、どんな事をしているのだろうか?

 彼女のことが忘れられない。

 ――もしも、彼女に対して素直な気持ちを伝えられていたらどうなっていたのだろうか。

 未練タラタラなこの状況よりはマシなのかも知れない。

 そんなことを考えながら、スマホを初めて持った時に作った、今は使っていないメールのアドレスに、過去の自分に届いたら良いのにと思いながら、伝えたい言葉を送信してみた。

『過去の悠真へ 結愛と、もっと分かりあって欲しい。素直に気持ちを伝えてほしい。素直に伝えることは格好悪いことではないから。またメールします』

 絶対に、届くわけがないのに。
 送信ボタンを押した。
 

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