すべての世界で、キミのことが好き❤~告白相手を間違えた理由

☆並行世界の未来にいる結愛

 クリスマスイブの日の夜、二階の自分の部屋で本を読んでいると、不思議なメールが突然来た。

『初めまして! 過去の結愛です。今あなたは、何をしていますか? 横には誰がいますか? 私は今、幸せです!』

 何これ……怖い!

 そして、家のチャイムがなった。
 
 こんな時間に誰だろう。
 メールとの相乗効果で怖さが増す。
 
 こっそりカーテンの隙間から、外を覗いたけれど、誰なのか見えなくてよく分からない。
 
 もう一度チャイムがなる。

 階段を下りて、リビングにあるインターホンのカメラでそっと確認してみた。

 えっ? 悠真とマロン??

 急いで玄関のドアを開けた。

「ひ、久しぶり」

 緊張した雰囲気の悠真。

「久しぶり……ってか、どうしたの?」
「いや、なんか、会いたくなって」
「えっ?」
「寒いでしょ? とりあえず上がって」
「あ、ありがとう」

 そわそわしながら玄関に入ってきた悠真。

 悠真は中学の時よりも大人になっていて、カッコよくなっていた。

 久しぶりに会ったマロンもますます美人になっていて。

 抱っこさせてもらう。

「可愛い! 会えてすごく嬉しいよ!」

 ギュッとしてマロンの匂いをかいだ。
 犬の匂いというかマロンの匂い、好きだな。

 マロンを膝に乗せて床に座った。
 毛並みを整えるように彼女をなでながら、私は悠真に聞いた。

「ねぇ、悠真、本当にどうしたの?」

 私が質問した瞬間、悠真のスマートフォンの音が鳴る。

「ちょっと待って!」

 悠真が質問に答えずに画面を見る。

「よし! 行くぞ! 暖かい格好してきて」
「はっ?」

 突然何?

 全く意味も分からないまま私は急いで準備をして、家を出た。

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