7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…

 朝ごはんが終わると、翔次は仕事に出かけた。
 今日は定時で帰って来ると言っていた翔次。

 家の中は自由に見ていいよと言っていた。
 広い部屋の中、退屈はしないと思った凜。

 
 玄関先の部屋を1つ1つ見てみる事にした。

 玄関に一番近い部屋は物置のように、使っていないものが置いてありカーテンも開けられない状態だった。

 その次の部屋は沢山の資料や本が置いてあり、使っていないパソコンやプリンターも置かれていた。
 この部屋もカーテンを開ける事はないようだ。

 次の部屋は翔次の部屋だった。

 カーテンは開けてあり、外の日差しがはいってくるようになっている。

 配置は凜が使っている部屋とよく似ている感じだ。

 本棚には沢山の本が閉まってあり、机の上にはパソコンとプリンターが置いてある。

 ふと、ベッドの枕元に置いてある写真たてに目をとめた凜。
 
 翔次とよく似た男性が一緒に写っている写真と、家族写真が置いてある。
 幸せそうに笑っている家族写真…。
 翔次はいつもメガネをかけていて、ナヨっとした感じのままだが、翔次に似ている男性はきりっとしたイケメン。
 2人で写っている写真は社会人になってからのようで、もう一人の男性は黒いジャケットの襟元にバッジがついている。
 よく見るとそれは弁護士バッジの様だ。

「エリート一家のようね…」

 翔次の部屋を出た凜は、リビングに戻って一息ついた。


 昼間一人でここにいても何もする事はないし、ちょっと外にでも行ってくるかな。

 そう思った凜はそのまま外出する事にした。


 リッチ―ルヒルズの辺りは別世界のよう。
 金色の時計台は、待ち合わせの場所によく使われる。
 駅前にも同じ時計台があるが、年数が経過して古くなっている。

(あ、おっきな時計台があるよ)

 凛は小さい頃、よく両親と駅前に行って時計台を見ていた。
 人が沢山いる時計台の周辺を両親と一緒に歩いて、ショッピングモールで買い物をしたりご飯を食べたりするのが楽しかった。

 家族仲良く平和に暮らしていた凜。

 だが…その平和を壊してゆく者がいた…。

  
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