7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…

「私、副社長とはずっとお付き合いしていました。途中、離れ離れになってしまった事もありましたが。ここで再び出会えて。もう、気持ちが止められないと副社長に言われたのです」
「奏弥はしているのか? この事実を」
「はい、昨日お通夜でお会いしたので話しました。とても喜んでくれました」

 喜び溢れる目をしている祥子だが、明らかに焦点が浮ついている。
 奏弥からは、いきなり証拠がマンション近くに現れてじっと見ていたと聞いていた疾風。

 ちょくちょくと、祥子に関わる男性社員からは突然ありえない事を言われる事が多いとは耳にしていた。
 
「社長。私と副社長の結婚、許してくれますよね? 」

 フフっと笑いかけて顔を近づけた祥子は、まるで悪魔のような目をしていると疾風は感じた。

「末盛さん。結婚は当人同士の問題だと私は思うよ。でもね、承諾を得る時には一人で来ても回答は出せないものだよ」
「そうですね…」
「奏弥にちゃんと話をしているなら、2人で是非来てほしい」
「分かりました」

 ニコっと満面の笑みを浮かた祥子は、そのまま社長室を出て行った。

 疾風は一息ついた。

 

 その後、祥子は会議室に戻り何食わぬ顔をして会議に出ていた。
 時折り奏弥の顔を見て、お腹に手を当てニヤッと笑っている姿は、魔物の様に見えた。


 
 会議は夕方まで続いた。
 
 16時30分を回る頃に会議が終わり、副社長室に戻って来た奏弥。
 少し遅れて祥子も戻ってきた。

 
「副社長。実は、社長から副社長との結婚の承諾を頂きました」

 はぁ? 
 驚いた奏弥に、祥子はニコっと笑った。

「次は、副社長と2人で来なさいって言って頂きましたので。早速ですが、今から行きませんか? 」
「ちょっと待って下さい。俺、前も言いましたけど結婚とか恋愛とか、そう言った事はしないと決めているので」
「断る事はできませんよ、副社長」

 ニコっとしたまま、祥子は奏弥に歩み寄って来た。

「副社長。私、妊娠しているんです」

 お腹に手を当て、祥子がニコッと笑ったの見た奏弥はゾクっとした。


「お腹の子供は、副社長の子供です。責任取って、私と結婚して下さいね」
「ちょっと待って下さい。俺は、そんな関係持っていません」
「何を言っているのですか? ちゃんと愛し合ったじゃないですか。だから、子供ができたのですよ」

 話が通じない?
 なんだか目つきも、行っちゃったような目をしている…。

「副社長。私、幸せにならなくてはならないのです。だから、絶対に幸せにして下さいね」

 完全に自分の世界で物語を作っている。
 話が通じない…。

 奏弥は何も答えることなく、そのまま副社長室を出て行った。
  
  
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