7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…

「ん? なんだてめえー! じゃますんじゃねぇよ! 」
「邪魔するなんて、そんな失礼な言い方はどうかと思いますけど? 女性を誘うなら、もっと丁寧にお誘いしてはどうですか? 」
「なんだと? 」

 目を座らせて男は翔次の胸ぐらを掴んできた。

「そんな誘い方では、どの女性もお断りになれますよ」

 冷静に答える翔次に、男は怒りを露にした顔になり拳を振り上げた。

「てめー! なめてんじゃねぇぞ! 」
 言葉と同時に殴りかかろうとした男だが…

 ドスン!

 地面に叩きつけらえる鈍い音がしたと思った時、男が地面に倒れていた。

「あ、すみません。過剰反応でしたか? 」
「っつ…この野郎! 」

 起き上がった男が再び殴りかかって来たが。
 
 ひょい、ひょいと翔次は交わしてしまい、一発も男の拳は当たらなかった。

 男は息が上がり、ゼエゼエと言いながら翔次を見た。

「お引き取り願えますか? このまま諦めてくれたら、警察には言いませんから」
「なんだと? 」

 くッと睨みつけてくる男に、翔次はフッとため息をついた。

「まだあきらめてくれませんか? 」

 メガネの奥でキッと男を睨んだ翔次。

 その目をみると男は怯んだ。

「チッ! 」

 負け惜しみのように舌打ちをして、男はそのまま去って行った。

 やれやれと、翔次は溜息をついた。

「副社長、有難うございました」

 お礼を言う女性を見て、翔次は特に表情を変えることなくそっと頭を下げて凜の下へ戻った。


「ごめんね、待たせてしまって」
「いえ、大丈夫ですか? 」
「うん、なんともないよ」

 いつものよにニコっと笑って、翔次は凜の手をとって歩き出した。


 今の翔次は明らかに身のこなしから見て、とても強そうだった。
 殴りかかろうとするがらの悪い男に、微動だとも怯むことなく交わしていた。
 
 今朝、あんなに酷い事を言っていて人なのに惜しむ事なく助けてしまうなんて…本当はとっても強い人なのではないだろうか?
 日頃はナヨっとして、頼りなさそうな感じなのは芯が強いからなのかもしれない。

 
 そのまま駅前でタクシーを拾って、翔次と凜はリッチ―ルヒルズへ戻って行った。
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