美しすぎる魔王様に助けられて異世界で偽装結婚? でも美容師としても働きますよ。
プロローグ
いつもの見慣れた朝の風景。
学校や会社に向かう人たちで駅はごった返している。
私は人波をすり抜けるようにホームへと駆け走る。


「あっ、電車が来た!このまま走れば間に合う!」


私は階段を急いで駆け下りて、ホームに入って来た電車に飛び乗る…はずだった。
しかし、ホーム到着まで最後の5段くらいの所で靴の踵が滑ったのだ。


…あっ!転ぶ!…落ちる!


私は転倒の痛みに備えて目をギュッと瞑った。
しかし、数秒が経過しても何も衝撃が無い。


(…あれ?痛くない…どうして?)


そして、そっと目を開けたその時、眩しいほどの白い光が目に飛び込んできたのだ。


(…なにこれ?まさか…打ち所が悪くて…天国?)


訳が分からないが、眩しいほどの光は、ますます強くなり、辺りは真っ白になった。
次の瞬間、フワッと体が浮くような感じがして、私は気を失ってしまったようだ。

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