美しすぎる魔王様に助けられて異世界で偽装結婚? でも美容師としても働きますよ。
第9話 人間界と魔界

朝の支度を済ませて家を出る。
駅に到着すると、階段を駆け下り電車に飛び乗った。
いつもと同じ私の日常が戻って来た。

私の勤務先である美容室に到着すると、同僚で友人のマキが私に声を掛けた。
美容室も久しぶりのはずだが、不思議と違和感が無い。
昨日もここにいたような感じがする。

「今日は真由のお客さん、朝からだよね?」

「…っえ?マキ…今日って…日付は?」

すると、マキは怪訝な表情で答えたのだ。

「今日は9月24日だよ…明日は25日のお給料日でご飯一緒に行くって約束でしょ…大丈夫?」

マキの返事を聞いて驚いた。
今日は以前に私が階段から滑り落ちた日だ。
全てがあの日に戻っていたのだ。
何もかもがあの日のままだ。

(…アルトと出会った日に戻っているなんて…そんな不思議な事ってあるの…)

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