美しすぎる魔王様に助けられて異世界で偽装結婚? でも美容師としても働きますよ。
第3話 髪を切ってあげる
「ねぇアイリス…あなたの髪を可愛くしてあげるよ…どうかな?」
朝食の片付けをしているアイリスに向かって話し掛けた。
自分のために、いろいろとお世話をしてくれているアイリスに何かしてあげたかったのだ。
(…私が出来ることは、これくらいしかないものね…)
「真由様…嬉しいです。でもよろしいのですか?」
「もちろんだよ…ねぇその鏡の前に座ってくれる?」
私は鏡の前に、木で作られている可愛い椅子を置いた。
すると、アイリスは嬉しそうに椅子に座った。
アイリスは赤みの強い茶色の髪を三つ編みにしている。
柔らかそうな、くせ毛の髪質に見えるが、意外にも直毛だ。
(…くるんとした瞳が印象的だから…ボブでもよさそう…)
少し長めの前髪を真っすぐに切りそろえる。
サイドとバックは、ちょうど肩の長さで切りそろえることにした。