甘いお菓子のように
失恋 -satomi side-

1

少し遅れて出勤すると、わたしは自分の席に着いた。

なので、紅子さんは驚いてわたしの方を見た。

「中島さん、漫画セクションには行かなくていいんですか?」

「行きたくないんです」

「え?」

「はぁ・・・」

わたしは、大きなため息をつくとノートパソコンを開いた。

「何か・・・あったんですか?」

心配そうに紅子さんが聞いてきた。

「いや、まぁ、ちょっと・・・」

するとわたしの机上にある内線が鳴った。

相手は高山くんからだった。

わたしはそれを無視して、管理表を開いた。

「ねぇ、今の高山くんからじゃなかったですか?出なくていいのですか?」

「もう・・・彼とは話したくないんです」

「そんなに漫画セクションの仕事が嫌なんですか・・・」

紅子さんの誤った解釈に「そうじゃないですよ」と心の中で答えると、突然高山くんが現れた。
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