年下男子は恋愛対象になりますか?
それは電車に乗ってから2時間が過ぎた頃だった。右隣に座っていた男性の頭が、私に寄りかかってきたので心臓が跳ねあがる。

え!?嘘、どうしよう……
寝てるとしたらしばらく起きてくれない可能性もあるよね!?それは困る。とっても困る。

スマホを見たまま固まっていると重さがなくなった。良かった、起きてくれたみたい。

「す、すみません!」

隣に座っていたのは黒髪で細身の若い男性だった。焦っているのか顔が赤い。うん、そうなっちゃうのも分かる。

「いえ、大丈夫ですよ」

かなり申し訳なさそうにしていたので、それ以上は気にしないことにした。誰だって失敗しちゃう時はあるし。私も気を付けなくちゃ。

再びスマホに視線を戻すも、数分後。
男性の頭がまたしても寄りかかってきた。

えー、嘘でしょ!?そんなに眠いの!?

こういう場合どうするのが正しいんだろう。
起こすべき?黙って頭を押し戻す?
何が正解なのか分からない。まぁ、そんなことする勇気もないんだけど。

しばらく悩んだ結果、このままにする事にした。幸い終点まで数分の距離。あと少しの我慢。でも、その前に起きてくれたら嬉しい。
< 3 / 692 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop