愛人~アイレン~
愛されたい__
私は愛された記憶が無い__


だから、愛される為に必死だった。



斉藤幸(さいとうさち)。二十八歳。
幸せになるようにと、父親がこの名前を付けてくれたらしいが笑えるくらい不幸。


その理由は私の性格に有って、好きな人と付き合えたとしても常に変な気持ちに付き纏われる。


実は愛されて無いんじゃ無いかとか、将来的に嫌われるんじゃないかとか。


それは、不安。


不安はいつも爆発して、妙に束縛した末に涙が止まらなくなり相手を辛くさせる。


その結果、私の行動に疲れ果てた彼氏は何人去って行っただろうか。


『幸。お前重すぎるよ……』
『俺じゃ幸せに出来ない……』


最初は大丈夫て言ってくれる男達。
しかし、皆が皆数週間には私に別れを告げる。


私が、悪い。


こんな性格だから、恋なんて無理だろう。


__そう思っていても、寂しさに絶えられなくて誰かと付き合ってしまう。


幸いな事に、私は容姿には恵まれていた。


漆黒のサラサラのロングヘアーにパッチリとした印象的な目。
パーツも整っていると言われる。


そして、何より自慢なのは雪のように白い肌だった。吹き出物なんて滅多に出来ないし、本当に褒められる。
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