【激辛エロティックホームドラマ】いやたい水着
だすい長兄嫁(あによめ)
茂西の家の家族たちがギクシャクしている最大の元凶は、すべてはじめ(主人)の気だるい性格にある。

一家が伊予市の今の家に移り住んだのは、2018年7月末頃だった。

それまでは、吉田(宇和島市)で暮らしていた。

一家は、吉田の農業従事者の家であった。

しかし、2018年の4月頃に家族たちがおかしくなった。

原因は、はじめとかなえが思いつきで家をリフォームしたいと言いだしたことにあった。

『貯蓄もないのに、どうやって家をリフォームするのだ!?』
『トラクターが壊れたから新しい機種に買いかえなきゃいかんのよ!!』
『田植え機もコンバインも新しい機種に買いかえなきゃいかんのよ!!』
『オヤジがひとさまの家にカネを貸してばかりいるから貯蓄がねえんだよ!!』
『ふざけるな!!』
『お人よし!!』

3人の息子たち(次男・三男・四男)は、はじめをボロクソに言いまくった。

貯蓄がない…

思うように作物が育たない…

田畑が悪い…

だから、家がボロいまま…

リフォームしたい…

家、建て替えたい…

ご近所に新築の家が建った…

おとなりさんが家をリフォームした…

だから、うちもリフォームしたい…

はじめとかなえが言うことは口先だけで、実行しようとしたらパートナー選びからつまづいてヤーメタ…である。

次男・三男・四男は、はじめとかなえを見離した。

次男・三男・四男自身も、あやみ・玲香・里香と結婚したことに対して強い不満があった。

2011年夏に、近所の家の人からのすすめで、3人は愛媛県の結婚支援センターが主催するお見合いパーティーに出席した。

男性は農業漁業従事者のみの参加のお見合いパーティーで、当時高知県宿毛市に住んでいたあやみと玲香と里香と出会って、結婚を決めた。

この時に、はじめが玲香の父親にカネを貸した他、里香の末の弟(当時15か16)がスイセン(入試)で入学した私立高校のセンセイショの保証人を引き受けるなどした。

当時、紀世彦は銀行員の独身寮で暮らしていた。

卓も、工場の従業員寮で暮らしていた。

はじめの気だるい性格が原因で、紀世彦と卓は結婚できなくなった。

はじめとかなえは、三男か四男が死んだら紀世彦か卓を玲香か里香のどちらかと結婚させると決めていた。

はじめとかなえからガマンしなさいと言われた卓は、2013年2月頃にレイプ事件を起こした。

加害者は、卓の職場の同僚の男たち数人であった。

被害者は、こともあろうにさおりであった。

卓は、職場の同僚たちに指示を与えた上にカネを出した。

さおりが集団レイプの被害を受けたことによって、なおとは茂西の家にし烈なうらみを抱えていた。

そのイコンは、今もつづいている。

さおりを犯した卓の同僚たちは、事件を犯したあと、全員ヤクザに殺された。

原因は、同僚のひとりの知人の男(自称・アンティーク販売輸入会社社長)が上納金(くみのカネ)を盗んで行方不明になったことである。

その上に、さおりがヤクザの組長の情婦だったことが発覚したので、構成員たちの怒りがより高まった…

ふみこは、リーダーの男の子どもであった。

はじめは、事件の後始末をするために紀世彦と結婚してくれとさおりに要求した。

しかし、さおりはより強く拒否した。

アタシひとりで子どもたちを育てます…

おとーさんがいない子はかわいそうだとは思わないのか…

紀世彦をいつまでガマンさせるのよ…

紀世彦の年齢では、相手の条件が悪いんだよ…

イヤ…

拒否するわ…

その結果、さおりはシングルマザーでなおととふみこを育てることになった。

そして、父親がいない状態でふみこを出産した。

その後、さおりは暴走族のリーダーの男と同棲生活を始めた。

その時、胎内にまりよを宿した。

同棲していたカレも、ヤクザともめた末にチャカでドタマかち割られた。

まりよも、父親がいない状態で出産した。

最初に生まれたなおとも、元カレ(同じ高校のドーキューセーであった)の子であった。

話を変える。

さおりから強く拒否されたはじめの一家は、その後も吉田でいつも通りの暮らしをしていたけど、2018年春ごろに発生したトラブルが原因で家族たちがリサンした。

次男・三男・四男は、家を出て遠方へ出稼ぎに行った。

出稼ぎに出た3人の息子たちは、今も帰宅していない。

そして、2018年7月8日に西日本豪雨で発生した土石流で家がぺちゃんこにつぶれた。

所有していた田畑は、大規模な地すべりで大破した。

その3日ほど前に、はじめたち一家は野村町(西予市)にあるかなえの実家へ避難した。

しかし、7月7日にダムの緊急操作で肱川が氾らんしたことが原因でかなえの実家が流された。

はじめの一家は、緊急操作が始まる1時間前に家を出て高台へ向かっていたが、その途中でかなえの兄と里香夫婦の子どもたち2人が肱川に落ちて、行方不明になった。

かなえの親類の家の人たちも家ごと流されて亡くなった。

双方の家で、不運がつづいた。

その頃、さおりと3人の子どもたちも西日本豪雨で被災した。

さおりと3人の子どもたちは、沼田本町本市(ぬたほんまちほんいち・広島県三原市)にあったマンスリーアパートで暮らしていた。

しかし、7月6日に沼田川(ぬたがわ)の氾らんによってアパートが流された。

さおりと3人の子どもたちは、アパートを出て高台へ向かったが、めんどくさくなったのであちらこちらさまよった。

その後、さおりは実家の親きょうだいに助けを求める形で紀世彦と結婚すると申し出た。

そして、さおりは紀世彦と結婚した。

同時に、紀世彦は銀行員の独身寮を出て実家へ戻った。

卓も、従業員寮を出て実家へ戻った。

今、はじめの一家が暮らしている特大サイズの和風建築の家は、よその家の主人の名義で登録されている。

なので、はじめとかなえの気持ちはひどくあせっていた。

新しい家がほしい…

農業を再開させたい…

それなのに、出稼ぎに出た3人の息子たちと連絡が取れん…

どうすればいいのだ…

(カンカンカン…ゴトンゴトンゴトン…)

話は変わって、9月10日の朝8時15分頃であった。

場所は、いよてつ余戸駅付近にある踏切にて…

さおりは、ぼんやりとした表情で遮断機のバーが上がるのを待っていた。

さおりは、なおととふみこをそれぞれの学校へ…まりよを保育園に預けたあといよてつ電車に乗って余戸駅へ向かった。

余戸駅で電車を降りたさおりは、歩いて保免中にあるユニクロへ向かう予定である。

電車が通り過ぎたあと、警報器の警笛が鳴り止んだ。

遮断機のバーが上がったあと、さおりは踏切をわたってユニクロへ向かって歩いた。

ところ変わって、保免中のユニクロの店内にて…

さおりは、従業員専用のロッカーで着替えをしていた。

さおりは、エアリズムのTシャツと濃いネイビーのジーンズを脱いだ。

脱いだ衣服の中から、黒の3Dホールドのワイヤレスブラとエアリズムのシームレスビキニショーツがあらわになった。

その上から、ユニクロの制服に着替える。

その中で、女性従業員3~4人が着替えをしながらおしゃべりをしていた。

「ねえ、」
「なあに?」
「マヤちゃん、おとついの夜うちらに『明日からバイトに来る』といよったけど…きのう…こんかったねぇ~」
「そう言えば、そうだったわねぇ~」
「マヤちゃん、ダメねぇ~」
「うちらもそう思うわ。」
「悪いのは加愚楽(かぐら・21の男性従業員)よ。」
「そうよねぇ…加愚楽はふざけとるわ!!」
「なにが『男はくさるほどいるから大丈夫。』かしら…マヤちゃんに心ないこと言うたからサイテーよ!!」
「ホンマにサイテーだわ!!」
「加愚楽のクソッタレは、水虫がいたむから休ませてくださいと電話でいよったよ。」
「ほっときなよ!!加愚楽はいんきんタムシだから彼女ができんのよ!!」
「サイアクじゃん。」
「よぉそんなんでユニクロにおれるわね…」
「あと、あれ企画した馬込(まごめ・女性従業員さん)もいかんねぇ~」
「ホンマやねぇ…恋したこともないクセにえらそうにしられんと言いたいわ…」
「ホンマホンマ…」

着替えを終えたさおりは、足早にロッカールームを出た。

それからしばらくして、馬込さんがロッカールームに入ってきた。

「おはよう…」

馬込さんは、にこやかな声でみんなにあいさつをかわした。

しかし、数人の女性従業員たちは口々に馬込さんをなじりまくった。

「あんたなに考えとんで!?」
「えっ?」
「あんた、この頃チョーシにのってるみたいね!!」
「ちょっと、なにがあったのよぉ~」
「あんたのせいで、マヤちゃんがバイトを休んだのよ!!」
「そうよ!!」
「ちょっと待ってよぉ~アタシにどんな落ち度があるのよ!?」
「落ち度があるからいよんよ!!」

そこへ、加愚楽(かぐら)がやって来た。

「おいおまえら…やめろよ…」

加愚楽が言うた言葉に対して、女性従業員たちは口々になじりまくった。

「なによいんきん!!」
「おい、おまえら名前で言えよぉ~」
「いんきんをいんきんと言うたらいかんのか!?」
「おい、朝から人の悪口をボロクソに言うなよぉ~」
「サイテー!!」
「楽してもうけたい愚か者!!」
「マヤちゃんにひどいこと言うたけん、うらみ通すわよ!!」

口々に加愚楽をなじりまくった女性従業員たちは、店舗へ向かった。

女性従業員たちからボロクソに言われた加愚楽は、その場に座り込んで泣き出した。

「うううう…」

同時に、大量の失禁を起こした。

時は、午後3時半頃であった。

またところ変わって、灘町の特大サイズの和風建築の家にて…

この時間、あやみは台所にいた。

台の上に置かれているエコバッグの中から、マルナカで購入した大量の食料品を取り出して整理をしていた。

そこへ、勝手口からとなりの家の奥さまが回覧板を持って入ってきた。

「奥さま。」
「あら、おとなりの奥さま。」
「回覧板を持ってきたわよ。」
「すみません、ありがとうございます。」

奥さまは、回覧板を受け取ったあやみに対して心配げな声で言うた。

「奥さま。」
「なあに?」
「蛤さんの家の長男くんのことで、なんぞ聞いてないかしら?」
「えっ?タカヤくんがどうかなされたのですか?」
「さっき、坂下津(さかしづ)さんの奥さま(外部委託の清掃作業員)がいよったけど、タカヤくん、あんたが作ったお弁当をゴミ箱にすてよったといよったよ。」
「えー、それどういうことよー!!」

奥さまからことの次第を聞いたあやみは、すっとんきょうな声をあげた。

奥さまは、大きくため息をついてからあやみに言うた。

「ドーリでおかしいと思ったわよ…」
「奥さま!!それはアタシが言うセリフです!!」
「あら、ちごた(違った)の?」
「アタシは…タカヤくんはお弁当を残さずにおいしいおいしい言うてたべよると思っていたのよ!!それなのに、お弁当をすてよったと聞いたけん、ビックリしたのよ!!そんなにアタシが作ったお弁当がイヤなのかしら!?」
「イヤだから、人のお弁当を食べさせてもらいよんよ…(ボソッ)」
「そんな~」

奥さまは、あやみに対して『人に言われんよ~』と言うてから、蛤さんの奥さまの悪いうわさを話した。

「あやみさん、ここだけの話だけどね…うちね…おとつい、蛤さんの奥さまがえげつないことしよった場面をみたんよ…」
「えっ?おとつい?」
「あのね…蛤さんの奥さまね…会社に『外回りに行って来る…』ってウソ言うてね…堀江町にある下請け会社のドスケベ社長と…いやたいことしに行ってたわよ…」
「えっ?蛤さんの奥さまが…下請け会社の社長といやたいことをしに行ったって?…どこへ行ったのよ?」
「決まってるでしょ…ふ・わ・り…」
「ふわりって…」
「北条の国道沿いにある道の駅の近くのビーチよ。」
「なんで蛤さんの奥さまがよその男の人と一緒に風和里(ふわり)に行ったのよ?」
「そんなん決まっているでしょ…ドスケベ社長の欲求不満を解消するためよ…」

ウソでしょそんなん…

あやみは、冷めた表情で奥さまの話を聞いた。

奥さまは、風和里で蛤さんの奥さまと下請け会社のドスケベ社長がえげつないことしよった内容をあやみに言うた。

「蛤さんの奥さまと社長ねぇ…ビーチの駐車場に車を止めて…いやたいことしよったよ…奥さまは、スーツの下にアリーナ(デサント)のセパレートの水着を着ていたわ…社長さんは、奥さまが着ていたスーツを強引に脱がしよった…その後…社長さんは…水着をグチョグチョにしよった…」
「それって、どういうこと?」
「だから…社長さんは、奥さまが着ていた水着がほしいからグチョグチョに汚したのよ…それだけのことよ…」
「だから、蛤さんの奥さまはなんで下請け会社の社長さんといやたいことしたのよ?」
「どうしてって…奥さまは自らの欲求不満解消のためにしよったんよ…ダンナの海外単身赴任が長びいているから…さみしいのよ…ただそれだけのことよ…でも、蛤さんの奥さまもそのうち墜ちるよ…運転していた車のボディにミウラ(三浦工業)のロゴが入っていた…
その中で、女性従業員が取り引きのドスケベゼツリンジジイといやたいことしよる場面をタブロイド(夕刊)の記者にとられたかもしれないわよ…蛤さんの家もおしまいねぇ…オーッホッホッホッホー…」

奥さまは、強いイヤミがこもったタカビー嗤い(わらい)をあげた。

そのタカビー嗤いが、家の外に聞こえた。

おり悪く、この時タカヤが勝手口の前を通りかかった。

「ふざけんな!!ぶっ殺してやる!!」

(ガーン!!)

タカヤは、右足で勝手口の木戸をけとばしたあと、ワーッと叫びながら走り去った。

その間も、奥さまのタカビー嗤い(わらい)は続いた。

あの一件が原因で、茂西の家は近所とのカンケーが気まずくなった。
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