憑かれた僕が彼女を助けるまでの備忘録
 僕は高架下から飛び出し、イロハたちを押した。

 向こう側から飛び出す姉妹は、手前に停まったワンボックスカーの陰になっていて見えないのだ。

 僕が飛び出したことで、運転手は顔を引き攣らせ、慌ててブレーキを踏んだようだった。タイヤが激しく擦れるスキール音を聞きながら、あ、死んだな、と思った。

 ーー『エイトっ!!』

 頭の中で誰かが僕の名前を呼んだ。多分幽霊女子の彩羽だ。そうに違いない。
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