年下の彼は、なぜだか私にZokkonです。




「先に行って。私は少し後で行くから。」

「途中で会ったって言えば良いじゃないか。」

「いいから!」

私が強く言ったから、樹は渋々、先に行った。
私は、私達の関係がバレないようにと必死なのに、樹は真逆だ。
本当に困る。



昨日と同じ服なのが気になるけれど、きっと周りは気にしていないだろう。
気付いても、私が男の家に外泊したからだと考える人はおそらくいない。
私に付き合ってる人がいると思う人はいないと思う。



「おはよう、恵理子さん。」

「あ、陽、おはよう。」

昨夜のことを思い出すと、陽の顔をまともに見られない。
陽の気持ちを知ってしまったせいか、罪悪感が重くのしかかる。



(ごめんね、陽……でも、今日から樹はあなたのものだから。)



「お昼、また一緒に食べましょう。」

「了解。」

幸い、時間がなかったから、陽とはそれ以上、話すことはなかった。



今日の昼休み、私と陽がご飯を食べてるところに樹が来て、陽に付き合うと言う段取りになっている。



陽…喜ぶだろうな。
絶対に、樹の心を掴むのよ。



それが、私達にとって、一番良いことなんだから。

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