攫い


「とはいえ、村のやつらに言伝しに行くとしても、オレら4人だけじゃ村民全員に情報が行き渡る前に被害が出ちまいそーだよな」


「まずは私たちのことを信じてくれそうな人たちに協力を頼んでみる?」




あーでもないこーでもないと私と冴で話していると、至極マイペースに傍観していた優が口を開いた。




「影響力のある人間に話して広めてもらえばいーんじゃないの。ほら、都の親とか村のお偉いさんじゃん。どーにか手を貸してもらえない?」


「おっ、そーいやお前の両親、役場勤めだったな。なんとか頼めねぇ?」




かなり効果的な優の提案に、冴が揚々と乗っかっていく。
私たちの視線は自然と都に集まった。



事実、都のご両親は役場勤め+この村の有力者だ。



1言えば10になって広がっていく。



味方につければこれほど頼もしい存在はいないだろう。



請うように見つめれば




「うん、わかったよ。掛け合ってみる」




そううなずいてくれた。



途端、あたりの空気がぱあっと明るくなる。



これでうまく協力してもらえればきっと被害も抑えられる。
理不尽な犠牲を出さずに済むんだ。


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