攫い
「お願い、協力させて。私ばっかり守られてばかりはもういやなの。なにか力になりたい」
なんだ、髪くらい。
髪など切ったところでまた生えてくる。
けど、贄にされた人の命は二度とよみがえりはしない。
こんなの比べるまでもないじゃないか。
「それにさ、最近ほんと暑いし、蒸れてしょうがなかったんだよね〜。さっぱりできるしちょうどいいよ!」
気丈に笑ってみせた。
私の髪で救えるものがあるなら喜んで差し出す。
「紅羽……」
私の気持ちを汲み取ってくれたのだろう。
3人はもうなにも言わなかった。