攫い
……なんだろう、実の父親にとんでもない誤解を生んでしまった気がする。
「ははっ、あいかわらずおじさん面白ぇな」
「なにも面白くない!あの人絶対変なこと想像した!」
ほどほどにってどういうことだし!
意味わかんない!
お父さんが出ていった扉を恨めしく睨んでいると、ふいに横から冴の指が伸びてきた。
そして私の頬に触れる。
「……っ!」
突然のことにピクリと反応してしまい、とっさに視線を移せば
さっきまで笑っていたはずの冴が、真剣な表情でこちらを見つめていた。