攫い
「そうかよ、わかったぜ。もし紅羽が攫われちまってもいーってことなんだな」
呆れたようにため息をつくと、サラッと私のことを引き合いに出してきた。
ギョッとしたのも束の間、都と優の表情が目に見えて変わる。
「それは困るね」
「は?むり。紅羽はあげないよ」
態度が一転。
私のことなど放り出して、男三人衆で真剣に話し始めてしまった。
リアリストなふたりを手玉に取る冴の姿に、また新たな一面を見た気がした。