S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
11章:仲直りと私の気持ち

 そう思ったとき三堂さんが呟く。

「すっごく長い片思いしてたのね」
「いや、恋なんて感情じゃないですよ。憧れです。だって、彼の隣に、私はどうあがいても似合わない」

 私は苦笑しながら言う。
 本当にそれは憧れだった。上司になってからは尊敬に近かったのかもしれない。

 そう思ったのに、三堂さんはピシリと指を出して言う。

「あのね、そんな幸せそうに話す顔見れば誰でもわかる。それは、恋よ。あなたはその高校生の頃から、彼のことが好きだったのよ」

 私は目を見開く。

―――好き?

 私は、好きだったのだろうか。
 でも、その感情の答えがわからなくて困惑する。
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