S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

 ころん、と転がされると、天井と、要さんのよからぬ笑顔が交互に見えた。
 え、と声を出すより先、足を持ち上げられ、ふくらはぎに口づけられる。

「まだまだ時間はたっぷりあるからな」

 そう言われて一瞬時が止まる。
 もう、朝だ。声だって本調子じゃない。

 これまで朝に勉強もしたことはないから、私は眉を寄せる。
 まさか。まさかね……。私の体力ももうないし、ホテルのチェックアウトの時間だって迫ってるはずだ。

「も、もうすぐチェックアウトですよね?」
「今夜もここ取ってるからこのままここにいられる。土曜だろ」
「……こ、今夜も?」

 私が震える声を出すと、要さんは目を細めた。

「どうせ、家でも毎日朝晩するだろうけど、最初は思い出に残るようにきちんとした場所でと思っていたしな」

「毎日、朝……晩?」

(しかも、あなた、夜も一回とかじゃなかったですよね……?)

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