君が望むなら…
彼side─君への想い綴り
彼女はある貴族の三人姉妹の次女だった。

僕は亡くなった自分の両親の跡を継ぐために数年の婚期を逃し、やっと決まった結婚だった。

突然の縛られた結婚に、彼女も辛いだろうにも関わらず僕を立てるよう気遣ってくれる。

しかしきっと彼女は本来、嘘をつけない人間なのだろう。
彼女の行動や言葉の端々に強い意志が表れている。

彼女は自由を願い、貴族という枠にはまりたくはなかったのかもしれない。
それでも彼女は僕のもとに来た。

彼女が無理をしているのくらい、見ればすぐに分かる。
僕のために辛抱してくれているだけなのだ。

夫となった、僕のために…


『私と無理に夜を共にする必要など、ありません。私はただ、貴方にとって定められた相手だっただけですもの……』

しかしなぜそんなに頑なに僕を引き離そうとするのだろう、僕は彼女を知りたくてたまらないのに…

彼女のように自分らしくあろうとする人間は、今まで自分の周りにはいなかった。
僕はそんな彼女に巡り合わせてくれた神に感謝しているのに、彼女は僕のもとからすり抜けていってしまう。

ニーナ嬢との噂を聞いていたのかもしれないけれど、噂は噂。僕はいま、彼女しか見えなかった。

せっかく僕の妻になってくれたのに…

君が望むなら、僕は君に想いを告げることはまだしない。
君をさらに苦しめるくらいなら、僕の想いはこの胸に…
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