涙色の死神と巫女と妖怪と
「は?」

沙月と2人で回りたいのに、と言いたげに沙月を見つめていた葉月の表情を見て、菫はニヤニヤと笑う。

(なるほど、葉月は沙月と2人で回りたいんだろうな。でも、言い出せないって感じだろうか)

そう思いながら、菫は「人数が多い方が楽しいと思うし、ボクは賛成かな!」と表情を崩さずに言った。

そして、瑠依たちは沙月と葉月と一緒にショッピングモールを回ることになった。



「沙月さん、葉月さん……今日はありがとうね。助かったよ」

夕焼けに染まった空の下、駅まで送ってもらった瑠依は、沙月たちにお礼を言う。

「こっちも楽しかったよ。あと、一緒に戦ってくれてありがとうね」

沙月はそう言って微笑む。

「瑠依、そろそろ行かないと電車乗り遅れるよ!」

紫乃はスマホの画面を見ると、瑠依の袖を引っ張った。

「分かった。じゃあね……また会えたらいいな」

瑠依たちは沙月と葉月に軽く手を振ると、駅に向かって走り出す。

沙月と葉月は3人の姿が見えなくなるまで、ずっと見つめていた。

また、3人に会えることを願って。
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