不妊の未来

茉由「なっ?!なんですか?!」

大和「僕を見て。僕のことを好きになって。そして僕の子供を産むか、子供を諦めるか。今すぐ…は無理だろうから二ヶ月後までに決めてください」

なぜ二ヶ月しか考える時間がないのか。
首を傾げると大和は茉由の疑問を感じ取り答えた。

大和「早いに越したことはないので。できることなら今からでも体の相性を見てみたいところですが」

大和の視線が茉由の体を這う。

それから妖艶な瞳に見つめられ、茉由の顔は一気に熱くなる。

大和「ハハ。真っ赤だ。可愛い」

大和の言葉に茉由の顔はさらに熱くなる。

茉由の熱い頬に大和の手が触れた。


大和「やっと僕を意識してくれましたね」

茉由「え?」

大和「僕がどれだけ密かに想っていたか、これから伝えていかないと」


大和は優しい瞳で茉由を見下ろす。

理玖とは全然違う、真っ直ぐ愛おしそうに茉由を見つめる視線に茉由の心が揺れ動く。

でも理性がきちんとダメだと止める。

大和の視線から逃れるように視線を下げた。

その瞬間、大和が茉由の体を抱きしめた。

茉由「ちょ、ちょっと先生?!誰かに見られでもしたら大変です」

離してくれるよう身動ぐ茉由。

でも大和はさらに力強く茉由を抱き締める。

大和「誰に見られてもいい。今日ここに来てよかった。話を聞けてよかった。もう他の男になんて渡さない。茉由に子供を授けられるのは僕だけだ」

珍しく大和の語気が強い。

茉由を抱きしめる腕にも力が込められて、ここまで言わせて、動揺しないはずがない。

でも、こんな展開が待っていたなんて誰が想像出来ただろう。

困惑する茉由の体を大和は離し、優しく微笑みかけた。

大和「必ず幸せにすると誓います」

茉由「そんな……」

ただでさえ理玖との関係が複雑化してしまっているのに、大和のことまで考えないといけないなんて。

もうなにから考えていいのか分からない。


< 56 / 104 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop