不妊の未来

茉由「子育てがどれだけ大変だとしても、これだけ望んで出来た子のためならなんだって出来る気がするんです」

茉由はまだ見ぬ子供を思いながら、宿ってもいないお腹をさすった。

その様子を見て初美が言う。

初美「その未来に旦那はいる?」

茉由「え?」

初美「もう少し広い範囲で物事を見たほうがいいかもしれないわね」


初美は視野の狭くなっている茉由にそれ以上なにを言っても無駄だと悟った。

だからといって突き放したりもしない。


初美「相手が誰であれ、とりあえず茉由自身が妊娠できる体なのか、ブライダルチェックを受けてみてもいいかもね。今度ウチのクリニックにおいで。結果次第では考え方も変わるかもしれないし」


初美に言われて茉由は「少し考えてみる」とだけ答えた。









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