妖怪ホテルと加齢臭問題(天音と久遠)
紅葉(くれは)旅館とは・・
日本庭園と紅葉、

特に大木のもみじが、
素晴らしいので有名だった。

女将である祖母の美貌で集客し、
母の美貌で繁盛して・・・
今は廃業するかの瀬戸際だ。

天音には残念ながら、
武器となる美貌は、持ち合わせていない。

この旅館は、
美貌で愛想のいい女将たちの力で、経営が成り立っていた。

道路の開通や、地方再生、
社員旅行などの団体客で、
賑わう時代もあったのだ。

祖父は趣味、文化人で、
有名画家や作家などを、長逗留させていた。

有名作家の書き散らした、
屏風や色紙も、数多く残っている。

廊下には、
田舎旅館には、似つかわしくない、大きな日本画が、飾られている。

たおやかで、柳の精のような、
美人図が、連作でかけてある。
どうやら祖母がモデルらしい。

祖父は、美しい伴侶を持ちながらも、浮気をして愛人もいた。

それもあって、
プライドの高い祖母は、
女将業に執念を、燃やしたのかもしれない。

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