妖怪ホテルと加齢臭問題(天音と久遠)
「それで、奥さんも、
俺の母親だけど、留学していた
日本人の女の子、
雪女に似ているって・・・
結婚したらしい。笑えるよね」

幽霊は美人系が多い。
不細工な雪女は、いないだろう。

ラフカディオ・ハーン、
小泉八雲か・・・

この人は、話好きなのだな・・・

天音は、するする入る日本酒に、
つい、興が乗ってしまった。

「うちにも、おもしろい伝承が
ありますが・・・」
天音は正座したまま、
日本酒を、ぐいっと飲んだ。

「座敷わらし・・・」

久遠の、のどがぐっと鳴った。
「それって・・・
ヨーカイ?ユウレイ?」

天音は、ふふと、
含み笑いをして、幼い頃を思い出した。

夏場の肝試し・・
コワイお話で、盛り上がって・・・
ギャーギャー叫んで、楽しかったな。
祖母は、怪談話しが上手い人だった。

この客にも、楽しんでもらおうか・・・
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