妖怪ホテルと加齢臭問題(天音と久遠)
久遠が話をしてくれた
「ルサルカの儀式」

女たちが、土地を守る。
祖母、母、自分とつないできた
糸を、切る事はできない。

「・・・申し訳ありません。
このお話は、
なかった事にしていただきたいです」

やっとそれだけ言って、電話を切った。

久遠と、あのきれいな女の人とのディープキス・・・
林の中で抱き合っている姿。

あの人たちには・・・
渡したくない。

これは別の感情だ。
天音は、複雑な気持ちで唇をかんだ。

これでいいのだ。

宿泊ではなくても、日帰りでも・・・
露天風呂だけでも、季節営業でも、できることを、もう少しやってみよう。

天音は、母の耳元に口を寄せて、
「三代目、女将、
やってみるからね」
そう言うと、

母はニコッと笑って
「いらしゃいませ」
と、返事をしてくれた。

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