こじらせ処女はイケメン御曹司で生まれ変わる
「あっ、いや、そんなんじゃ……」

「初デートの時ぐらい、奢らせろ。行くぞ、ほら。」

背中を押され、宮下さんは行ってしまう。

それを追いかけて、私は歩き始めた。

同じように歩く人々の中、宮下さんの背中だけが目立っていて、ああ、私今日こんな人とデートするんだと思った。


10分程歩いただろうか。

宮下さんが急に、立ち止まった。

「ここのお店にしよう。」

見ると、高級焼肉店。

書道の字で書かれた看板が、余計にお肉が高い印象を与えた。

「いや、いくら奢りだからって……」

「いいから、いいから。」

どちらかと言うと、ノリノリなのは宮下さんの方で。

ワクワクした感じで、お店の中に入って行った。
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