雪のとなりに、春。
「雪杜くん、もう2年生なんだね!!」

「そういう花暖先輩は3年生だね」

「ふふふ、後輩に優しくしたり助けたりする雪杜くん、かっこいんだろうなあ」

「必要以上に関わる気はないし、人助けなら花暖先輩の専売特許でしょ」


広い校舎で道に迷った新入生を道案内してあげる雪杜くんとか?
テストで悲鳴を上げる子達に過去問渡してあげる雪杜くんとか?

きっと、頼りになってかっこいい先輩だっていう噂があっという間に広がって、
それはそれはモテモテに……


「……」


そ、それはちょっと困るので雪杜くんには控えめに目立っていただくとして。

雪杜くんと出会って1年。
雪杜くんとお付き合いを始めて半年。

どんどんかっこよくなっていく雪杜くんに対する「好き」が更新されていく。


「雪杜くん」

「うん?」

「身長、伸びた?」

「あたりまえでしょ」


「3センチ伸びたし、まだ伸びるよ」と得意げに笑うから、きゅんっと胸が可愛らしく音を鳴らした。

出会った時よりも雰囲気が柔らかくなったと思ってはいたけど、
柔らかい……というより、大人びた?
うーん……余裕がある?

とにかく、去年よりずっとずっと、成長してる。大きくなってる。


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