離縁するはずが、冷徹御曹司は娶り落とした政略妻を甘く愛でる
岩木さんのお世辞に苦笑しながら「ありがとうございます」とお礼を言う。
「忍さんにもそう思ってもらえるように頑張ります」
しばらくそんな世間話をして、岩木さんは「では、そろそろ」と席を立つ。
「今日はありがとうございました。お忙しいのに引き留めてしまってすみません。秘書の岩木さんがいなくて、忍さんが困ってないといいんですけど」
「いえ、副社長の秘書は私以外にも数人おりますので、大丈夫ですよ」
「そうなんですね。さすが上條不動産の副社長」
政治家である父にも、政策秘書や私設秘書をはじめたくさんのスタッフがいて仕事をサポートしていたけれど、大企業の副社長も同じくらい忙しいんだろうな。
忍さんはどんなところで、どんな仕事をしているんだろう。
そんな興味が湧く。
まぁ、形だけの妻の私が、彼の職場にお邪魔することはないだろうけど。
岩木さんが帰りキッチンで食器を片付けていると、どこからかスマホの着信音が聞こえてきた。
聞き覚えのない音だった。
「忍さんにもそう思ってもらえるように頑張ります」
しばらくそんな世間話をして、岩木さんは「では、そろそろ」と席を立つ。
「今日はありがとうございました。お忙しいのに引き留めてしまってすみません。秘書の岩木さんがいなくて、忍さんが困ってないといいんですけど」
「いえ、副社長の秘書は私以外にも数人おりますので、大丈夫ですよ」
「そうなんですね。さすが上條不動産の副社長」
政治家である父にも、政策秘書や私設秘書をはじめたくさんのスタッフがいて仕事をサポートしていたけれど、大企業の副社長も同じくらい忙しいんだろうな。
忍さんはどんなところで、どんな仕事をしているんだろう。
そんな興味が湧く。
まぁ、形だけの妻の私が、彼の職場にお邪魔することはないだろうけど。
岩木さんが帰りキッチンで食器を片付けていると、どこからかスマホの着信音が聞こえてきた。
聞き覚えのない音だった。