先輩といろどる恋。˚✩

知ること





放課後



入学したてでまだ部活にも入っていない私達はいそいそと心遥の家へとやってきた。






「私にはなんであんな人が好きなのかわかんないな」






心遥の部屋に荷物を置いて座ると、心遥はそう言って怪訝な顔をする。






「確かに、私の好きな『おどりのプリンスさま』ってゲームキャラに似たような顔面…しかもくそ人気キャラいるけど顔だけじゃん。
人の告白をあんな勘違いだとか否定するやつに執着しなくていいだろ」






そう言う心遥は多分私のことを気遣って言ってくれてるんだろう。



心遥はこう見えて友達思いだから。






「あ、それルリも思ったぁ〜。
確かにめちゃイケメンだけど性格があれじゃあたとえ付き合っても辛い思いするよぉ〜」






瑠璃佳も頷いて心遥の意見に同意する。



確かにあんな対応されたら嫌になるかもしれないけど、私はそれでもかっこいいと思ってしまったんだよね。






「一目惚れで何も知らないのに?って思うかもしれないけど、私一目惚れって初めてなの!
今までずーっと友達から好きになって、でも友達としてしか見れないって断られてた」



「まぁ、そうだったな」



「だけど、凪桜先輩は昨日会って、声とか顔とか仕草とか立ち姿とか。
そういうのに惹かれたんだ!猛烈に!
だから友達としてしか見れないって言われない今がチャンスなんじゃないかと思ったの!」





友達だと認識される前に告白してしまえば友達としてしか見れないと断られることも無いかもしれないし!!



私の言葉を聞いてもなお2人は渋い顔のまま。






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