婚約解消するはずが、宿敵御曹司はウブな許嫁を愛で尽くす~甘くほどける政略結婚~

「ありがとう。陽菜と話してると、仕事のアイデアのヒントをたくさん貰える」
「私、役に立ってる?」
「かなり」
「そっか、よかった。本来なら専業主婦になって怜士を支えるべきなのに、私のワガママで仕事続けさせてもらってるから。少しでも役に立ててるなら、保育士になった甲斐があるよ」

改めて怜士の立場を考えれば、両親がなぜ口を酸っぱくして結婚後は家庭に入るべきだと言っていたのかが理解出来る。

だけど、私は仕事を続けることを選んだ。

それによって怜士のサポートが疎かになってはいけない。気を引き締めないと。

「陽菜」

改めて意気込んでいると、怜士は私の頬をぶにゅっと両手で挟み、不機嫌そうに目を細めた。

「俺は陽菜が役に立つから結婚したわけじゃないし、妻なら夫の役に立つべきだと思ってるわけじゃない。陽菜が好きだから結婚したし、そばにいてくれるから頑張れるんだ。役に立つとか立たないとか、そんなの関係ない」

ひょいっと横抱きにされ、怜士の足は寝室に向かう。

「ま、待って。疲れてるんじゃないの?」
「陽菜不足」
「そんな、人を野菜みたいに」

いつまで経っても色っぽい雰囲気が照れくさくて、可愛くない言葉を口にしてしまう。

だけどそれも彼のキスに溺れるまでで、重ねた唇から愛情を注がれ、媚薬のように全身に回ってしまうと、羞恥も感じられないほどに夢中になる。

今夜もきっと蕩けるように甘い時間になるのだろうと期待に胸を高鳴らせながら、怜士の首に縋り付いた。



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