王太子妃は2度目の恋をする
第1話 前世の記憶
この世に、貴族として生まれたからには、必ずなさなければならない事がある。

それは、同じ貴族との政略結婚だ。


「アリーヌ。今度の週末、王太子殿下にお会いする事が決まった。」

「はい。」

「いいか、王太子殿下に気に入られるのだぞ。」

「はい。」

するとお父様は、ため息をついた。

「アリーヌは、何を言っても”はい”しか言わないな。」

「はい、申し訳ありません。」


だって、結婚の事を私がとやかく言えるはずがないもの。

全てお父様の思い通り。

お父様が決めた相手と、一生添い遂げるしかないんだから。

私はお父様の書斎を出た後、自分の部屋に戻った。

鏡台の前に座り、髪をとかす。

他のご令嬢達は、結婚が決まったらどうしているのだろう。
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