『ペットフード』
何度も何度も苺美は私の事を好きって言っていた。
琉羽じゃない…私…私…ワタシ…わたし…?雨哥…。
ちゃんと聞けばこんな事…。でもワタシはもう…何も…。
私が…。違う。だって…。でも…。もう戻らない。私は…悪い事をしたけど、悪くない!!でも…。
「ごめんね」
最後に1度だけ、心から謝った。
心からの「ごめんね」だった。
だって…目の前で、苺美が…苺美が死んでるんだもん…。大切なビーズで使う鋏。
大好きな道具で…大嫌い…大好きでいたかった大嫌いな苺美の全てを終わらせた。
苺美に飾り、赤にしてあげた。
名前に似合ってるじゃん。

大好きな雨哥の手で苺美の全てが終わろうとしている。
終わる…そして始まろうとしている…。
苺美が始まりになるなんて…。
また…動き出す。
止まってる時間など、与えられない。
もう…変わらない。
今…そのドアが…。
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