『ペットフード』
この先に何があるのか知っている。
映画館やゲームセンターがあり、バーもある。
どこに入るのだろうか…。
雨哥は足を止めた。
苺美が立ち止まり、スマホを手にしている。
雨哥はその姿をスマホで撮影しておいた。
言い訳はさせない。通用させない。
そしてそのまま指を動かし、送信をタップする。
【この先、仕事詰めるから、今日、会えない?】
貴方は何て答えるの?琉羽…貴方は…?
すぐに返事が来る。
【ごめん。今日、上司と飲みなんだ】と。
たまに来る時と同じように。
【そっか。大変だね。じゃあ、私も仕事に入るね。お互い頑張ろう。また連絡するね】
雨哥も嘘をついた。
大好きな、唯一大切な琉羽に…。
仕事…と…。
< 21 / 251 >

この作品をシェア

pagetop